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小川 文男*; 中山 雄太*; 旭吉 雅健*; 橋立 竜太; 若井 隆純; 伊藤 隆基*
Transactions of the Indian National Academy of Engineering (Internet), 7(2), p.549 - 564, 2022/06
改良9Cr-1Mo鋼の非比例多軸クリープ疲労負荷におけるひずみエネルギーベースの寿命評価法を提案する。非弾性ひずみエネルギー密度は、ヒステリシスループ内の面積として算出した。また平均応力の影響を実験的に検討し、非弾性ひずみエネルギー密度とクリープ疲労寿命の関係を調べた。ヒステリシスループの調査から、最大応力の低下は破損寿命の延長につながるが、ひずみ保持中の応力緩和は強度低下を引き起こすことがわかった。そこで、ヒステリシスループの最大応力とひずみ保持中の最小応力の影響を考慮した非弾性ひずみエネルギー密度の補正法を提案し、単軸および非比例多軸荷重のひずみエネルギー密度を求めた。これらの結果をもとに、非比例多軸荷重下でのクリープ疲労寿命を支配するメカニズムについて考察した。
中山 雄太*; 小川 文男*; 旭吉 雅健*; 橋立 竜太; 若井 隆純; 伊藤 隆基*
ISIJ International, 61(8), p.2299 - 2304, 2021/08
被引用回数:4 パーセンタイル:33.99(Metallurgy & Metallurgical Engineering)高温において多軸負荷を受ける改良9Cr-1Mo鋼のクリープ疲労強度について述べる。中空円筒試験片を用いて、さまざまなひずみ波形での低サイクル疲労試験を実施した。低サイクル疲労試験は、軸ひずみを固定した比例負荷と、軸ひずみとせん断ひずみの位相差が90度の非比例負荷の下で実施した。応力緩和とひずみ保持が破壊寿命に及ぼす影響を検討するために、さまざまなひずみ速度での低サイクル疲労試験とさまざまな保持時間でのクリープ疲労試験も実施した。2種類の多軸クリープ疲労寿命評価方法を提案した。第一の方法は、非比例負荷係数とクリープ損傷を考慮したマンソンのユニバーサルスロープ法を使用してひずみ範囲を計算する。第二の方法は、線形損傷則を用いて非比例負荷係数を考慮して疲労損傷を計算し、修正延性損耗則からクリープ損傷を計算する。第二の方法は精度が優れ、第一の方法はそれより精度は劣るが、実用性が高い。
津田 修一; 佐藤 達彦; 小川 達彦
Radiation Protection Dosimetry, 168(2), p.190 - 196, 2016/02
被引用回数:2 パーセンタイル:19.71(Environmental Sciences)重粒子線に対する生物学的効果を評価する上で、生体中での重粒子線の飛跡およびその近傍における詳細なエネルギー付与分布は重要なデータである。本研究では、PHITSに組み込まれている最新の生物学的線量評価モデルのエネルギー付与分布計算の精度検証を行うため、高崎量子研究所TIARAで 壁なし型組織等価比例計数管にペンシル状のビームを照射し、径方向の線エネルギー(y)分布データおよびyの線量平均値(yD)を取得した。その結果、PHITSによる計算結果は測定したy分布をよく再現することがわかった。また30MeV陽子は、陽子より重いイオンの場合と異なり、ビーム軸上(r=0.0m)でyD値は最小となり、ビーム軸に対する垂直面の径方向の距離とともに緩やかに増加した。これは陽子ビームと二次的に生成されるデルタ線の阻止能がほぼ等しいことに起因するためであり、約30MeV以上の陽子ビームでは飛跡構造がほぼ一様であることを実験的に示した。
田中 浩基; 山岸 秀志; 中村 龍也; 曽山 和彦; 相澤 一也
JAERI-Research 2005-010, 16 Pages, 2005/04
大強度パルス中性子源を用いた中性子散乱実験用次世代中性子検出器として個別読み出し型中性子ガス検出器の開発を行った。本検出システムでは分光器ごとに異なる要求性能(計数率,効率,n/比,位置分解能,大面積化等)に対して検出素子を適切に選択することで柔軟に対応することが可能である。検出素子としてMWPCを用いた場合の本システムの中性子検出器基礎特性及び二次元イメージングの性能試験を行った。ガス条件を5atm 30% CH(0.26atm He)としたときにガスゲイン450で長時間安定に動作し、中性子ビームサイズを考慮した位置分解能は陰極及びバックストリップの方向で1.4, 1.6mm(FWHM)であった。また検出素子の有感領域内における検出効率の均一性は最適アンプ閾値において良好であることを確認した。
吉澤 道夫; 谷村 嘉彦; 三枝 純; 根本 久*; 吉田 真
Radiation Protection Dosimetry, 110(1-4), p.81 - 84, 2004/09
被引用回数:3 パーセンタイル:23.52(Environmental Sciences)原研・放射線標準施設棟(FRS)にはコンクリート減速中性子校正場が整備されている。この場は、コンクリート壁及びブロックで囲まれた狭い空間の中にAm-Be線源を置き、散乱中性子により種々のスペクトルを作り出す場である。この場の中性子スペクトルをボナー球(BMS),球形反跳陽子比例計数管(RPC)及び液体シンチレーションカウンタ(NE-213)により測定した。BMSの結果とRPC及びNE-213による結果はよく一致した。そこで、BMSの結果から基準線量当量率を求めた。また、基準個人線量当量率を求めるために、中性子フルエンスの入射角度分布をMCNPモンテカルロコードを用いて評価した。その結果、散乱中性子はさまざまな角度で入射しており、これを考慮すると、基準個人線量当量率は、角度分布を考慮しない場合に比べて10-18%小さくなることがわかった。
山岸 秀志; 中村 龍也; 曽山 和彦; 正岡 聖; 相澤 一也
Review of Scientific Instruments, 75(7), p.2340 - 2345, 2004/07
被引用回数:9 パーセンタイル:46.07(Instruments & Instrumentation)ヘリウム-3(He)ガスを用いた高位置分解能二次元中性子検出器(2D-ND)の開発のため、二次粒子を識別する機能を有した新しい計測システム(InSPaD)の検討を行った。InSPaDは各信号チャンネルに特定の弁別レベルを単に設定することによって、He(,)反応で発生したプロトンとトリトンのトラックを識別することができる。そして、そのシステムは高い位置検出分解能,高計数率,低バックグラウンド及び安定性を実現する。InSPaDを用いた2D-NDのシミュレーションを行い、Heに10%のCHを混合し、圧力0.3MPaで封入したガス条件で、0.46mmの位置分解能が得られることを示した。また、MSGCを用いた中性子計測実験により、二次粒子の飛程及び出力パルス波高分布を測定し、シミュレーション結果と測定結果がよく合っていることを確認した。以上の検討及び実験結果からInSPaDの実現の見通しが得られた。
遠藤 章; 山口 恭弘; 住田 健二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 40(8), p.628 - 630, 2003/08
被引用回数:4 パーセンタイル:31.64(Nuclear Science & Technology)JCO臨界事故による被ばく線量の評価は、JCOの線モニタ,原研那珂研の中性子モニタ及び現場周辺で測定されたモニタリングデータに基づいて行われた。臨界継続中、事故現場から約1km離れた三菱原子燃料において、高感度の燃料集合体非破壊測定システム(UNCL)を用いた中性子計測が行われていたことがわかった。日本原子力学会JCO事故調査委員会はこのデータを入手し、委員会メンバーである著者らは、その解析から臨界に伴い発生した中性子強度の推移を評価した。その結果、事故発生から約1時間半後から臨界状態終息までの中性子強度の変化は、線モニタ,中性子モニタの記録と一致することが明らかとなった。本解析結果は、線量評価に用いられた線量率の時間推移に関するモデルが適切なものであったことを示している。
村崎 穣; 宇野 祐一; 三好 慶典
JAERI-Tech 2003-029, 107 Pages, 2003/03
未臨界度測定手法の開発のため、STACY非均質炉心体系の実験において、位置検出型比例計数管(PSPC)により、炉心タンク外側近傍における中性子束分布の測定を行った。測定の結果、硝酸ウラニル溶液のウラン濃度50g/L~210g/Lの範囲における臨界時及び未臨界時の中性子束分布を13mmの位置精度で得た。また、パルス中性子実験における測定により、即発中性子減衰定数を求めた。さらに、連続エネルギーモンテカルロコードMCNPにより、PSPC測定位置における中性子束分布及びHe反応率分布を求め、PSPC測定値との比較を行った。比較の結果、カドミウムカバー付きPSPCの測定値に対して、計算値は、臨界液位の半分の高さより上部ではおおむね一致したが、それより下部では両者の差が大きくなった。一方、カドミウムカバーなしの測定値に対して、計算値は良く一致した。
木内 伸幸; 大石 哲也; 吉田 真
Radioisotopes, 50(5), p.183 - 189, 2001/05
線源作製方法の異なる線面線源の均一性について検討した。面線源として、ポリマー線源、陽極酸化アルミニウム線源、滴下線源及びイオン交換線源の4種類を選択した。均一性の評価において、イメージングプレートと比例計数管を用い表面放出率の変動係数を測定した。その結果、ポリマー線源やイオン交換膜線源が均一性に優れていた。また、均一性を評価するために設定される評価対象領域(ROI)の面積や点数について考察した。
小川 俊英; 大麻 和美; 星野 克道; 小田島 和男; 前田 彦祐
JAERI-M 94-021, 45 Pages, 1994/02
Microwave Tokamak Experiment(MTX)で行なった中性子計測について、MTXトカマクでの較正実験結果とMTXプラズマの中性子測定結果を報告する。中性子計数管とポリエチレン中性子減速材を用いた全中性子発生率測定系は、当初の設計通りに10個/秒以上の中性子発生率領域に対応できた。Cf中性子線源をトカマク真空容器内に置いて較正実験を行ない、検出器の感度係数を決定した。ジュール加熱時のプラズマから110個/秒程度の中性子発生率が測定され、輸送解析コードによる計算と良い一致を示した。プラスチック・シンチレータを用いた高時間分解能測定系は、測定精度を確保できる範囲内で、200マイクロ秒までの時間分解能が得られた。しかし、ピーク出力1GW、パルス幅20ナノ秒程度のFELマイクロ波に対する応答速度としては十分でなく、FELマイクロ波入射時のイオンの応答は検出できなかった。
J.Pulpan*
JAERI-M 93-115, 15 Pages, 1993/06
エネルギー領域0.01-1MeVの中性子スペクトロメータとして使用される小型円筒反跳陽子比例計数管の壁効果補正の検討を行った。行路長の確率関数に基づく方法により陽子が管壁へ逃れる確率を求め、等方中性子場中での検出器応答の計算に応用した。また、この手法を直接応用して水素とアルゴン封入の比例計数管で測定された反跳陽子の付与エネルギー分布に対する補正を行い、アンフォールディングした中性子スペクトルに対する補正の影響を調べた。
吉田 真; 山本 敏生*; Wu, Y.*; 新谷 徹*; 瓜谷 章*; 森 千鶴夫*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 330, p.158 - 164, 1993/00
被引用回数:9 パーセンタイル:66.97(Instruments & Instrumentation)放射性ガスの放射能を長軸比例計数管内拡散法により直接測定を行なう研究をした。この方法は、比例計数管に放射性ガスを封入して放射能絶対測定をする上で問題となる端効果を除く方法としてきわめて有効である。この測定の際必要な基礎データをArの計数管内挙動をモニタリングすることにより収集し評価した。その結果、十分な精度で放射能の決定が行なえることがわかった。また、端効果とともに重要な補正である壁効果についても実験及び計算により評価した。
吉田 真; 吉澤 道夫; 南 賢太郎
Radioisotopes, 39(9), p.396 - 399, 1990/09
床材等の材料について、ISOレポート(7506-1)に示される汚染線源効率を実験的に決定評価した。評価対象核種としてはPm、Co、Cs、Tl、Sr-Yの線放出核種とAmを使用した。また、表面放出率の決定上問題となるcharge-up効果を評価した。Pmに対しても、ほとんどの試料において0.5以上の効率が得られ、ISOの示す値が、十分にひかえめな値であることが判明した。
長野 賢三*; 杉山 康治; 竹腰 英子
JAERI-M 84-145, 29 Pages, 1984/08
ENMA焦点面検出器を構成している電離箱および比例計算管におけるCFの特性を5MeV粒子および高エネルギー重イオン粒子を用いて検討した。さらに、アバランシェ・カウンターにおけるCFガスの特性を得るために、小型アバランシェ・カウンターおよびこの変形型のものを製作し、5MeV粒子を用いて、アバランシェ電子のパルス波電、ガス破壊重圧、時間分解離を測定した。どの型の平行平板アバランシェ・カウンターに対しても、300PSecの時間分解離を得た。他のカウンターガス特性との比較において、電離箱、比例計算管、アバランシェ・カウンターにおけるCFガスの特性のまとめを行った。
瑞穂 満; ヤマナカツネヤス*
Nuclear Instruments and Methods, 91(1), p.57 - 60, 1971/00
抄録なし
瑞穂 満; ヤマナカツネヤス*
Journal of Nuclear Science and Technology, 7(6), p.285 - 290, 1970/06
被引用回数:5抄録なし
H.J.Delafield*; W.G.Sparke*; 吉田 芳和; W.R.Loosemore*; J.A.Dennis*
Nucleonic Instrumentation IEE Conference Publication No.47, p.223 - 228, 1968/00
抄録なし
小川 文男*; 中山 雄太*; 旭吉 雅健*; 橋立 竜太; 若井 隆純; 伊藤 隆基*
no journal, ,
改良9Cr-1Mo鋼の非比例多軸クリープ疲労負荷におけるひずみエネルギーベースの寿命評価法を提案する。非弾性ひずみエネルギー密度は、ヒステリシスループの内側の面積として計算した。また、平均応力の影響を実験的に検討し、非弾性ひずみエネルギー密度とクリープ疲労寿命の関係を調査した。ヒステリシスループの調査から、最大応力の低下は破損寿命の延長につながり、ひずみ保持中の応力緩和は強度低下をもたらすことを明らかにした。そこで、ヒステリシスループの最大応力とひずみ保持時の最小応力の影響を考慮した非弾性ひずみエネルギー密度の補正法を提案した。更にこの結果をヒステリシスデータを俯瞰して検討することで、非比例多軸荷重下でのクリープ疲労寿命を支配するメカニズムを考察した。